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ストックホルムの子ども権利養護センター

 最終更新日  

子ども養護権利センターを訪問しました。所長でソーシャルワーカーのカトリ・ブラットストローム女史とソーシャルワーカーのマリア・ステンソン女史が説明してくれました。この施設は、政治家たちの発案で2006年にできました。スウェーデンは1979年に、世界で初めて子どもへの体罰を禁止しました。しかし体罰は実は増えています。子どもに安心して暮らせる場所を提供するのは親の義務です。しかし、できない親たちがいるので、この施設が必要になりました。ここでは、身近な人間から虐待childhood physical abuse: CPA(性的虐待も含む)を受けた子どもの介入、保護を行っています。対象となる子どもの年齢は0-18歳。子どもに近い大人は、両親、祖父母、教員、トレーナー、クラブのリーダーなどが、加害者になる可能性があります。こういう人たちで、家庭内で大人同士で暴力を受けているケースに、子ども虐待につながるようです。虐待を受けた子どもたちへの対応は、ソーシャルワーカー、訓練を受けた警察官、検事、小児科医、精神科医などが協同で行います。このような施設はアメリカとアイスランドにあり、そのアイディアを取り込みました。スウェーデンには22か所、ストックホルム市内には3か所あります。3か所とも、警察と密接にかかわっています。ここには所長を含む5人のソーシャルワーカーがおり、会議、医療的な調査、警察の取調べなどを行います。警察の取調べは、センターの中の取調べ室で行われ、その様子はテレビカメラを通じて、モニタールームのテレビに映されます。それをソーシャルワーカー、法律家、弁護士などが見ています。そして、取調べが終わると、その場で次の行動を決断します。

虐待を受けたこども

子どもの様子はビデオで記録する

大人は虐待を見たら通報する義務がある

スウェーデンでは、大人は子どもへの虐待を見たら、通報する義務があります。警察へでも、自治体へでもいいですが、教員や保育士に話すことが多くなっています。子どもが受診した地域診療所や病院からの通報もあります。通報があれば、すべて会議にかけます。ここにくる子どもは、医療的検査と、警察の取調べを受けるためだけ。取調べが必要と判断すると、保育士や教員に子どもをここに連れてきてもらいます。教員には法的な権利がなく、専門性がないので、会議には参加させません。知らないことが今後の親との関係にいい影響を与えます。親権が強いので親には知らせません。警察の取調べのあとで親に知らせます。母を取調べする必要があるときは、子どもを預かる場を作ります。肉体的な傷がなく、精神だけが傷ついている場合は、子どもの言葉では加害者を検挙することはできないケースが普通です。いちばんむずかしい被虐待児は、話せるようになる前の乳幼児たちと知的障害児。表情や体の動きなどから何をどう汲みとるかに心を配ります。子どもが大きくなって昔のことを話せるようになると、20年前のことでも、さかのぼって罰することができます。18歳から10年間は時効になりません。

児童養護 虐待防止

子ども権利擁護センターの相談室

日常の仕事は、一般のソーシャルワーカーからの相談への対応です。ここだけで年間200件も扱っています。虐待をなくすための広報活動、講演活動もしています。

子どもに関与している人たちみんなが、体罰が禁止されていても虐待はある、との認識を持っています。体罰、虐待の兆候が少しでも知らされたら、一刻も早くその子を救い出すためにどうしたらいいか、すぐに作戦を練っていく。大切なことは、多くの知識を持つ専門家たちに状況を共有してもらい、どのように事実を解明し、今後どのようにしたらいいか、その子にとって一番いいと思われる方法を考え出そうとしていることです。一つの専門性を持つ一人の判断ではなく、別々の専門知識と経験を持つ人たちがさまざまな意見を出し合って、最良の道を絞り出していくことにしているは素晴らしいことです。現実的な対応にすぐれたスウェーデン人ならではの考え方です。この国の子どもたちが幸せになれるのは当然です。

センターはクングスホルメン島にある

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