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コペンハーゲンのオペラハウスと演劇劇場

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運河から見た演劇劇場

           運河から見た演劇劇場

オペラハウス
ヘニング・ラーセン建築事務所設計のオペラハウスOperahusは、船舶や石油採掘販売などの事業を行うエーピー・ミラー・グループが建造費を負担した、国家的な建築です。場所は、王宮から運河を挟んだ対岸。大理石教会から東へ、王宮の4つの建物を貫く直線をさらに東へ延ばして、対岸に渡った正面にあります。この位置関係は、舞台デザイナーである女王を頂点とする王室と、劇場文化との結びつきを感じさせます。

            王宮前から見たオペラハウス

それでいて建物は、船底をイメージさせる設計で、船舶会社としての主張が強い。でもデンマークが海運国であると知っている人はあまりいないかもしれません。酪農王国、豚肉王国、デザイン大国、福祉先進国、ノーマリゼーション先進国と考えている人は多いでしょう。エーピー・ミラーは、ヘニング・ラーセンの設計に注文をつけて、原案とはかなり違ったものになったと言われています。ラーセンはマルメの図書館建築の際にも設計変更を余儀なくされて、落成式には欠席したそうで、超一流の建築家でも、思い通りに造るのはむずかしいようです。

南から見たオペラハウス


            
オペラハウスの建物は14階建てで、リハーサル室、衣装室など、全部で1,000の部屋があります。劇場の観客席はオーケストラ・ピットの大きさにより1492席と1703席になります。2005年1月にこけら落としが行われ、主にオペラが上演されています。バレエ公演はニューハウンの入口にある古い王立劇場をメインにしていますが、冷房がないので、夏はお休みします。
ニューハウンとオペラハウスを結ぶ水上バス

ニューハウンとオペラハウスを結ぶ水上バス


オペラへはニューハウンの端から水上バスで渡るといいでしょう。船に乗ることで日常生活から切り離されて、芸術の世界に入る。美しい建物で約3時間の夢の世界を体験し、再び船で現実世界に戻ってくる。この設定が何より素晴らしい。

演劇劇場の北側。夏は右手のテラスがカフェになる。その向こうにオペラハウス

演劇劇場
オペラの建設はかなり評判でしたが、演劇劇場Skuespilhusetの建設はあまり話題に上りませんでした。でもニューハウンから運河へ出ると、左手に建つ劇場と、その前に広がる木製のテラスの美しさに、ついつい魅了させられます。水の向こうにはオペラ劇場の平たい屋根が張り出しています。思わず「うーん」と唸ってしまう。この劇場とオペラは対になっています。設計者が違っていても、対を成しています。ちなみに設計はルンゴード&トランベリー設計会社で、2008年の完成建築としていくつかの賞を受けています。
劇場内は3階になり、650席の大劇場、250席の中劇場、100の小劇場があります。
木製のテラスは、暖かい日には移動式のバー・カウンターが出せるようになっている。テラスに電気のコンセントや水道が埋め込まれています。主に夜に活躍する劇場なのに、昼間も、また劇場に入らない人にも楽しんでもらえるようになっています。

北側の埠頭から見た演劇劇場

北側の埠頭から見た演劇劇場


ここで演じられるのはデンマーク語の演劇だけです。わずか580万人だけが利用できる世界にしないために、劇場へ向かう道、ガラス張りの劇場の概観、椅子が配置されたテラスなど様々な工夫がなされています。みんな来てほしい、この場を好きになってほしいという願いが見えています。公共の建物は、こうでなくてはいけない。東京都庁のように、「ここは為政者の城だ、関係者以外は来るな」と主張するような建物を、税金で建てるのは本来ならおかしいことです。為政者に擦り寄ることで生活し、民主主義を知らない人々が選んだ設計は、いつまでたっても誰からも愛されず、目に入ると悪いものを見たような気持にさせられます。そう考えると建築とは正直なものだと思います。その姿だけで、愛されたり、憎まれたりする。愛されたいと願うデザイナーは、それなりの仕掛けをしています。いい建築とはそういうものだということをコペンハーゲンの2つの芸術の殿堂で学んで下さい。

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