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ストックホルムのクングスガータンの塔
最終更新日

右が北塔。塔の下のおしゃれなアーチ橋の下をキキがくぐったような?
クングストーネンは、あまり注目されていないかもしれませんが、クングスガータン通りを通るたびに気になる建築です。なんでここに塔があるのだろうと、何度も考えました。 しかし、その理由はよくわかりません。いや多分、建設当時には意味があったのでしょう。1905年にストックホルム市は、新市街の東側のエステルマルムと北側のノールマルムを結ぶ通りの建設を計画し、設計を募集しました。そのときに市はすでに塔を建てようと考えていたといいます。

コンサートホール付近から見た北塔
1915年にこの地域の委員会にスヴェン・ヴァーランダー (1890-1968年、集合住宅などを数多く設計)がクングスガータン通りと2本の塔のデザインを提出し、委員たちを説得しました。「この地にヨーロッパで最初の摩天楼を造る」。摩天楼はできなかったけれども、新市街の中心地にはなりました。

4つの彫像がある南塔の上部
1924年に北側の塔が、続いて翌年南側の塔が完成し、小さい摩天楼ができました。北塔の高さは60m超、16階建て、基礎部分には7階建ての事務所棟があります。南塔はイワン・カルマンダーの設計で高さは60m超、17階建て、事務所棟は9階建て。塔の隣りに橋がある構成も何やら楽しいのです。まだ周囲に高い建物がない時代だったはずです。完成してしばらくは、最上階にレストラン「青い天国」があり、ストックホルムのシンボルとしてイルミネーションで飾られ、デイトスポットとして人気があったそうです。いまでも、塔の頂のあたりの彫像や金の装飾はきれいに磨かれていて、建物を使う人、見上げる人たちが楽しんでいるのがわかります。 映画「魔女の宅急便」の中で、ほうきに乗ったキキが、この塔の下の橋をくぐり抜けたような気がします。

皆さんは、橋の西側の細い階段道Malmskillnadstappanを、ゆっくりと昇っていきましょう。頂上に着くと、ほんのちょっとキキになったような気持ちが味わえます。